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犬を繁殖させようと思ったら、ブリーダーであろうが、家庭での繁殖であろうが、健康な犬を世に送り出すためには遺伝子検査が欠かせません。
獣医さんの健康診断だけでは不十分なのはなぜでしょう?代表的かつ基本的な「メンデルの遺伝法則」について極簡単にまとめてみました。
<メンデルの遺伝法則>
人間を含め高等生物は遺伝子を二つもっており、それぞれ父親と母親からひとつずつ受け取ります。メンデルはエンドウの交配実験から、遺伝には「優劣の法則」があることを発見しました。「優劣」と言っても遺伝子が優れているとか劣っているという意味ではなく、「優性=その特徴が表面に現れるもの」、「劣性=その特徴は表面には現れないもの」という意味です。
メンデルは実験により、丸いエンドウとシワのエンドウを掛け合わせるとその「子供」は丸のみである、という結果を得ました。
丸いエンドウの遺伝子を「AA」、シワのエンドウの遺伝子を「aa」とすると、その子供の遺伝子は双方からひとつずつ取るので「Aa」ということになります。遺伝子が「Aa」であるのに形が丸になったということは、「A」という丸いエンドウの遺伝子が「優性(=特徴が現れる)」で、「a」のシワの遺伝子が「劣性(特徴は現れない)」であるということです。次に、その子供(Aa)同士を掛け合わせると、今度は「AA」「Aa」「aa」とい3種類の遺伝子が得られます。
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つまり、孫の代には丸のエンドウが3つ(AA
が1つ, Aaが2つ)と、シワのエンドウ(aa)が1つできることになります。同じような形の丸いエンドウが3つあっても、その遺伝子は「AA」と「Aa」の二種類がある、ということですね。
わかりやすく言うと、血液型なども同じです。例えば、私の場合は父親がO型(OO)で、母親がAB型なので、私はB型(BO)です。父のO型の血も入っているけど、それが隠され(劣性)、Oよりも優性であるB型になっている、というわけです。
そしてもうひとつの特徴は、孫の代にはおじいちゃんやおばあちゃんの遺伝子を受け継ぎ、丸い親からシワの子供が生まれる可能性もある、ということです。俗に言う「隔世遺伝」と呼ばれるものはこれにあたるわけですね。
これを踏まえて、本題の遺伝疾患の話に移ります。
<優性遺伝疾患>
疾患を持つ遺伝子が優性の場合、子供にもその特徴が現れます。つまり、どちらかの親にその疾患があれば、子供にも必ず遺伝することになります。
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これについては「何らかの先天的疾患がある犬は繁殖には使わない」ということを徹底すれば、代々疾患を蔓延させることを避けられることになります。
<劣性遺伝疾患>
疾患を持つ遺伝子が劣性の場合、子供に受け継がれてもその特徴が現れない、つまり表面上は健康であるということになります。 |
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こ疾患が劣性であるため体には現れないけれど、遺伝子としてその疾患を持っているため、その犬を繁殖すれば疾患遺伝子をその子供に受け渡してしまう、つまり「キャリア(=運び屋)」になってしまう、というわけです。
その子供たちがどうなるかをまとめたものが下記の図です。
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こ疾患が劣おわかりいただけますでしょうか?
正常な遺伝子を持つもの同士の繁殖であれば、正常である確率は100%、キャリア同士ならその確率は25%、片方が疾患遺伝子を持つ犬であれば、正常になる確率は0%です。
ただし、ここに書いたのはごく一部の遺伝形式であり、遺伝子の役割はもっと複雑でさらにいろんな形式の遺伝方法もあるため、犬を繁殖させる人間はそれを理解しておく必要があるということです。
これだけでも素人繁殖がいかに危険であるか、ご理解いただけますでしょうか?
遺伝疾患を持つ犬を繁殖に使うというのは言語道断ですが、「うちの子は健康そのものだし、獣医さんにも大丈夫だと言われた!」という犬であっても、実は疾患遺伝子を持つ『キャリア』 であり、その子供に疾患が現れる、ということは充分に考えられます。
パピーミルでただ単にオス犬とメス犬を掛け合わせるだけの繁殖も、「うちの子の子供が見たい!」というだけの安易な繁殖も、疾患を持つ犬を世に送り出すという罪の重さは同じだと個人的には思います。
苦しむのは飼い主ではなく、疾患を持って生まれてくる犬です。
「フレンチブルドッグは皮膚病が多いから」「呼吸器が弱いから」「関節が悪いから」というのが当たり前でいいわけがありません。犬を繁殖させる人間が勉強と努力をすれば、少しでも多くの健康な犬を世に送り出すことが可能なはずです。
繁殖を考えていない方も、これから犬を飼いたいと思っている方も、良いブリーダーとただの「繁殖屋」を見分ける指標にしていただければ幸いです。
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| ◆関連記事 文太を繁殖させない10の理由 |
| (フレンチブルドッグ文太部長のロハスな毎日 2011年2月12日の記事より加筆修正) |
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